蝉休の雑文日記

色々なことを書いていこうと思います。

夏になると外に出たくなる。

冬と夏、どちらが好きかと訊かれると迷うことなく夏と答える。夏は大好きだ。冬は嫌いだ。夏が来ると、ノスタルジックな気持ちになる。焼けるような日差しにセミの鳴き声、遠くで揺れる陽炎。それらにどこか懐かしさを感じるのは、僕だけではないと思う。

 

幼い頃、僕は虫採りが大好きな少年だった。おばあちゃんに「大きくなったら昆虫博士だねぇ」と言われて以来、僕は大人になったら昆虫博士になるんだなあと何故か漠然と考えるようになった。

幼稚園生くらいで野球と出会う。それ以来、僕は大人になったらプロ野球選手になるんだなあと考えるようになった。

幼い僕は、生きていればそのうち勝手に昆虫博士になれるし、勝手にプロ野球選手になれると思っていた。将来の夢とはそういうものだった。

 

今の僕は文系の大学に進み、昆虫とは無縁の学問を修めた。虫は相変わらず好きだが、虫の知識は幼い頃の僕のまま。

野球はたまに草野球に参加する。

 

昔の僕が疑うことなく描いていた今の僕は、僕の描いた水彩画のように想像とはズレたものになっている。

 

懐かしいことを思い出すのは、心に余裕がある時だ。冬の間はそんなこと思い出しはしない。極端に寒いのが嫌なので。寒さと冬が醸す淋しさに耐えるので精一杯だ。

 

いつもと違う夏でもいつも通り暑いので、そこは嬉しい。